書籍名 | 日本語人称詞の不思議 |
---|---|
副題 | モノ・コト・ヒト・キミ・カミ |
著者 |
三輪正著 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 192頁 |
発行年月 | 2010年11月 |
定価 | 2,200円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03305-5 |
本の説明 |
日本語の人称詞が日本人のものの考え方に与える様々な影響を、古今東西のエピソードからひもとく軽妙なエッセイ。論理学の泰斗が対等で思いやりのある日本人の対話のあり方を示唆する。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
はじめに 日本語一人称二人称は使いにくい/英語や中国 語の一人称二人称は使いやすい/一人称二人称 は対話に大きく深く影響する/三人称と対話と の関わり ◇T◇三人称と一人称二人称 人間言語の特徴としての間接性/人間の言語の 最初の音声―三人称が先か一人称が先か/三人 称の根源性/最初の一人称二人称とその増加/ 複数形双数形の分化/複数一人称における相手 包含形と相手排除形/複数形による力と敬意の 表現/三人称を二人称へ転用/敬称の呼称を二 人称へ転用/性別による人称詞 *トピック1*日本語のキミは英語のキング と言語的に親戚? 場所関連の二人称、オタク、オマエ、アナタな ど/親族名の転用による二人称の増加/一人称 を二人称へ転用 *トピック2*一人称を二人称へ転用する ベトナム語の場合 日本語の一人称二人称の多様性と上下格差/一 人称二人称を増やす言語と増やさない言語/多 くの一人称二人称があることのメリットとデメ リット/多くの一人称二人称の存在は対話の修 得を難しくする ◇U◇三人称とモノ、コト、ヒト、キミ、カミ 物称、人称、不定称/指示詞の二分法三分法と 支配領域/指示詞と個物―主語になって述語に ならない言葉/主語にも述語にもなる言葉(類 概念)と事物の分類―モノやコト/カテゴリの本来 の意味―述語になって主語にならない言葉/モ ノやコトは実体(サブスタンス)のカテゴリに属する 言葉/実体はモノノケのケ、コトダマのタマ、 チカラ、イノチ、ココロでもある/サブジェク ト(主語)とは下に隠れてあるものでありサブス タンス(実体)でもある/「実体」の日常的意味と 論理学的意味/「実体」とは不可分な個物(力、 命、心)のことでもある *トピック3*「ところ」「場所」「トポス」 アリストテレスの物中心の考え方とデカルトの 思考中心の考え方/三人称(物)から出発するア リストテレスと一人称(わたし)から出発するデ カルト/分類と分析―アニミズムとメカニズム/カント は「実体性」を人間の側の考え方の一形式として とらえる/[力][命][心]としての実態―ライプニッ ツのモナド論、不生不滅の心/常識の「実体」と アニミズム、シャーマニズム/モノ、コト、ヤツ、 ヒト、オヒト、オニ、オカタ、ミコト、キミ、オオキ ミ、カミ/ヒトという不定三人称―英語フランス語 などとの比較/日本語のヒトには他人や外の人 という意味合いがつよい/人目、人言と万葉人 /ヒトの反対語はミウチ(身内)/「内の人」は氏 人でもあり内人でもある/内の神と外の神/ヒ トとカミにおける「内外」/ヒトとカミとにおけ る「上下」、「内の上」が日本人のカミ/第三者調 停者仲介者としてのモノ、コト、ヒト、キミ、カミ /アラヒトガミ、生き神、生き仏 *トピック4*多数の一人称二人称を持つ チベット語と生き仏崇拝 君主国、王国、帝国、キングとエンペラーと天皇 /国の「実体」は何か?/言語使用における自由 と平等と協調 *トピック5*1945年8月16日の広島の 高射砲中隊 ◇V◇対等で気配りのある対話のために 日本語一人称二人称に関する提案とその現状/ アンタとアナタ、僕と俺、などを区別する言語 と区別しない言語/対話にとって望ましい一人 称二人称のありかた/やはり気になること/逆 格差の心配/対話における同等レベルの原則 おわりに 主要参照文献 |