
書籍名 | 自分からの政治学〔改訂版〕 |
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著者 |
石川捷治・ 平井一臣編 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 310頁 |
発行年月 | 1999年9月 |
定価 | 2,970円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02166-8 |
本の説明 |
自分(日常の場)と政治とのかかわりを、共生・歴史・現代・思想の4つのキーワードをもとに明らかにする。異文化・ジェンダー、日本とアジアの戦後、核の時代と平和思想など身近な問題を素材に平易に展開。初版以降の変化をふまえて改訂。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
プロローグ 「自分からの政治学」にむけて 一 昔の若者と今の若者 二 「自分から」出発する 今の若者のいる場所 高度経済成長後の社会 人の一生と政治 「危機」の時代からの問いかけ 三 「世紀末大転換期」と私たち 地球的規模の危機 岐路に立つ私たち 「自分からの政治学」を始めよう ◎コラム 大学−不思議の国のレジャーランド(江口厚仁) T 共生への旅 1 異文化と政治 文化と文化は「衝突」せざるをえないのか? 一 異文化問題の出発点 異文化の「衝突」 異文化問題を考える糸口 共生社会をめざして考える ニ フランスの異文化問題 つくられた国民国家 同化主義の後退 新しい異文化問題の始まり 国民国家理念に基づく統合 「差異への権利」 「平等への権利」 「新しい人種主義」 どのようなフランス社会をつくるのか 三 日本における異文化問題の現状 三つの異文化問題 先住民としてのアイヌ民族 定住外国人としての在日韓国・朝鮮人 外国人労働者 どのような日本社会をつくるのか 四 共生社会へ向けて ◎コラム:「共生」とは?(出水薫) 2 ジェンダー・ポリティクス 女性と男性は「個」として出会えるか? 一 性と政治をめぐって 二 企業と女性 男女雇用機会均等法 なぜ、女性は採用されないか? 三 保護と平等 女性保護規定 専業主婦「保護」政策 四 労働と性 セクシュアル・ハラスメントとは? セクハラ裁判の問いかけるもの 五 家族と性 産む性=母性=女性 夫婦別姓 六 男女共生社会へ向けて ◎コラム:社会へはばたく女性たちへ(田上美弥子) U 歴史への旅 3 日本の戦後 「戦後国家日本」はどこにたどりついたのか? 一 ある戦後体験から 二 廃墟からの民主主義 戦後改革 占領政策の転換 「五五年体制」 三 「繁栄」の時代と利益政治 高度成長 自民党一党優位体制 「繁栄」の影 革新自治体・ベトナム・沖縄 四 「繁栄」のゆらぎと政治の混迷 高度成長の終焉 新保守主義の展開と挫折 「昭和」の終焉 自民党一党優位体制の崩壊 五 世紀末の日本政治 ◎コラム:「水俣病の政治学」(遠藤邦夫) 4 アジアの戦後 強権国家はどう変容するのか? 一 「輝く」新生国家 新興独立国の誕生 冷戦の波及 バンドン精神 二 「強い腕」による国家の変容 「強い腕」登場の背景 「強い腕」による国家運営 奇跡の経済成長 社会主義国家の「神の腕」 三 色あせる「強い腕」 噴出する異議申し立て 踏みにじられた異議申し立て アジア経済危機と民主化 四 アジアの強権国家と日本 ◎コラム:学者から政治家へ(許世楷) V 現代への旅 5 自油民主主義のゆらぎと民主主義のゆくえ 新しい生き方は政治を変えるか? 一 現代政治のパラドックス ニ フォーディズムと自由民主主義体制 自由民主主義体制のもとで生きる 「モダン・タイムス」 チャップリン対フォード 大量消費生活の夢と現実 ケインズ主義福祉国家 労働組合 政党 バックス・アメリカーナ 三 フォーディズムの危機 フォーディズムとケインズ主義福祉国家の矛盾 自由民主主義体制のゆらぎ 四 ポスト・フォーディズムの模索 コーポラティズム戦略 新保守主義戦略 新しい社会運動と新しい政治 五 民主主義と個人生活の再生に向けて ◎コラム:がんばろう 変化の時代に(平井桂月) 6 噴出する民族問題 民族自決は万能か? 一 冷戦終了と「パンドラの箱」 二 民族問題とは何か 民族問題の起源と背景 民族の定義と民族対立の構造 三 旧ユーゴ紛争にみる民族対立の具体的様相 旧ユーゴ紛争の経緯と背景 連邦の崩壊と内戦の発生 政治・経済対立から民族対立へ 民族対立の連鎖反応的構造 四 国際社会は諸民族の共生を実現できるか 国家承認と民族自決の原則 国連平和維持活動の特徴と問題点 諸民族の共生に向けて ◎コラム:ユーゴスラヴィアの悲劇(ベイヨヴィチ・チャスラフ) 7 転換する世界秩序 地図は変わる? 一 地図のなかの政治 地図の複数 東北アジアの四つの国 二分されたヨーロッパ 冷戦と東北アジア ニ 冷戦と社会主義 冷戦の世界化 社会主義体制と「鎖国」 三 ポスト冷戦と国家の黄昏 社会主義体制の崩壊 「新世界秩序」の陰り 四 政治のなかの地図−東北アジア地図の展望 ◎コラム:Human Rights in East Asia(イアン・ニアリー) W 思想への旅 8 「抵抗」と「愛国」の間 思想は何をなしうるか? 一 思想を学ぶということ 二 二人のノーベル賞作家 大江健三郎 マルタン・デュ・ガール 三 国家vs人間 初めに個ありき 抵抗の足場 四 愛国の基層 初めに言葉ありき 「太郎を眠らせ……」も今は昔 五 思想としての政治 政治は何をする? 政治を創る ◎コラム:地域で考える普通の政治(清水 透) 9 核の時代と平和の思想 「核問題」はもう峠を越えたのか? 一 「核の時代」の始まり 二 原爆投下(小倉原爆) 小倉はなぜ投下目標とされたのか なぜ原爆二号は小倉に投下されなかったのか 三 世界の被爆者 米政府と日本政府の対応 太平洋・ビキニ−日本人が受けた三度目の核(水爆)の惨禍 広がる核戦争準備のための人体実験と核被害 旧ソ連 四 「核の時代」の現段階 核の危機は遠のいたのか 核の時代の第二幕 五 核・国家・人間 核−人間と共存できるのか 国家−日本は非核国家なのか 人間−ヒロシマ・ナガサキの思想化と継承 ◎コラム:被爆者が僕たちに教えてくれたもの(中村尚樹) X 政治への旅 10 政治さがし・自分さがし 「自分から」見えてくるもの 一 とどかぬ声 自然の権利訴訟 エビ、バナナと日本人 箱のなかのモルモット? 二 生態系のなかの「自分」 エコロジー問題の現在 エコロジー問題と南北問題 三 「自分」はどこにいるのか 「世界システム論」が描く世界 日本における「中心」と「周縁」 四 地域のなかの「自分」 なぜいま「地域」なのか 地域政治のいま 「地域」へのこだわり、「自分」へのこだわり エピローグ ふたたび「自分からの政治学」へ おわりに 改訂版にあたって 索 引 |