書籍名 | 現代家族法学 |
---|---|
シリーズ | NJ叢書 |
著者 |
利谷信義編 |
判型 | A5判 |
頁数 | 316頁 |
発行年月 | 1996年6月 |
定価 | 3,520円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02145-5 |
ジャンル | 民法 NJ叢書 |
本の説明 | 家族をめぐる法は、民法を中心としながらも、憲法、労働法、社会保障法、医事法、税法など多様な法領域に拡がり変動している。本書は家族の法システムのトータルな把握・解明を試みた意欲的テキスト。 |
目次 |
序章 家族法システムの研究/利谷信義 1 家族法システム研究の意義 2 家族法システムの構造への接近 1 家族法システムの方向性を示す法 2 家族のあり方を示す法 3 家族と関係しつつ市民生活の規制と保障にあたる法 4 家族の安定をはかる法 3 家族法システムの発展と男女共同参画社会 第1章 憲法と家族/金城清子 1 はじめに 1 指導理念としての憲法 2 憲法と家族法 3 家族の中での、構成員の人権の保障 4 法律上の平等、形式的平等と解された平等概念 2 戦後の家族法改正を中心とした制度改革とその限界 1 民法改正―法律上の差別の撤廃 2 差別的規定の残存 3 抽象的な「相互の協力」規定 4 徹底した別産制の採用 5 離婚と当事者間の公正、子どもの福祉 6 婚姻共同体の維持による事実上の不平等顕在化の回避―有責配偶者の法理 7 性による分業を前提とした二次的家族法 8 憲法理念とはかけはなれた現実 3 第2の変革期を迎えた家族法―これからの課題 1 法律上の平等の保障 2 法律上の平等から事実上の平等ヘ―必要な平等概念の転換 3 家族の中での人権の確立 4 性による分業の変革 5 「同等な権利」と「相互の協力」の再構成 ―平等な家計維持責任と家庭責任の明文化 6 夫婦財産制と離婚給付 7 養育費についての取決めの義務化、算定基準の定式化、履行確保のための制度拡充 4 結語 第2章 国家法による家族の把握/星野澄子 1 はじめに 2 住所からみた個人と家族 1 住所とは 2 法律上の住所 3 住所の認定―さまざまなケース 4 住所と本籍との違い 5 住民と在留 6 世帯主および続柄 3 戸籍からみた個人と家族 1 分籍、戸籍の編製 2 日本の戸籍制度 3 戸籍のテクニック 4 戸籍の届出制度 5 戸籍の公開原則、戸籍の附票 4 むすびに代えて 第3章 民法と家族 はじめに/利谷信義 T 現行民法(家族法)の位置づけ/利谷信義 1 現行民法の家族像の形成過程 1 明治民法の家族像 2 現行民法の家族像 2 現行民法の役割 1 現行民法の機能 2 現行民法の特質 3 「日本型現代家族」の成立 4 「日本型現代家族」の特質と限界 3 現行民法の直面する問題点 1 家族関係の変化 2 現行民法の問題点 3 現行民法改正の動き U 夫婦、親子、離婚の法/利谷信義 1 夫婦の法 1 現行婚姻法の概要 2 事実婚(内縁)と法 3 現行婚姻法の問題点 2 親子の法 1 現行親子法の概要 2 現行親子法の問題点 3 離婚の法 1 離婚制度の動向―世界と日本― 2 現行離婚法の概要 3 現行離婚法の問題点 V 扶養と相続の法/竹下史郎 1 扶養の法 1 現行法における扶養 2 老親の扶養をめぐる問題点 3 成年後見制度とその問題点 2 相続の法 1 相続の意義と相続機能の変化 2 現行法における相続 3 老親の相続をめぐる問題点 4 遺産分割の長期化 5 祖先祭祀と墓 第4章 労働法と家族/浅倉むつ子 1 はじめに―本章の課題 2 労働法における女性労働者 1 女性のみ保護規定のゆくえ 2 男女雇用平等の不徹底 3 雇用管理の中の家族像 1 日本の賃金体系が前提とする家族像 2 人員整理解雇順位にみる家族像 4 労働者の私生活の自由と性的自己決定 1 家族の居住形態の自由と配転命令 2 職場における通称使用権 3 私生活と恋愛 4 職場のセクシュアル・ハラスメント 5 家庭生活と労働生活の調和 1 家族的責任の位置づけ 2 調和のための具体的法制度 第5章 社会保障法と家族/橋本宏子 1 家族と人権 1 年金制度と家族 2 遺族年金と家族 3 医療保険と家族給付 4 親族扶養と社会保障 2 女性と社会保障 1 女性と年金 2 女性の雇用保障と社会保障 3 その他 3 家族を考える 1 老人福祉と在宅福祉サービス 2 児童と福祉サービス 3 家族と個人 4 個人を支える社会保障 5 家族重視の新しい動向と個の主体性の回復 第6章 医事法と家族/石井美智子 1 はじめに 2 家族員の出生 1 出生の抑制―母体保護法 2 出生の助長―人工生殖 3 病気の家族 1 未成年者―親の同意 2 成年―無能力者 4 医療者・看護者としての家族―在宅医療 5 家族員の死 1 自然死、尊厳死―リビングウィル、代行判断 2 脳死 3 臓器提供、献体―遺族の承諾 6 おわりに 第7章 租税法と家族/三木義一 1 税法と家族像 2 家庭生活と税法 1 家事費と「所得」概念 2 基礎控除・課税最低限と憲法25条 3 生計を一つにする親族のための支出 3 夫婦財産制と課税単位 1 課税単位 2 夫婦財産契約と租税 3 夫婦間における財の移動と贈与税 4 家族間の扶養と法律婚 1 所得税の配偶者(特別)控除 2 親子の扶養と扶養控除 3 各種控除と内縁関係 5 家族間労働と所得の帰属―専従者給与・夫婦組合契約等 6 離婚と租税法 1 財産分与と贈与税・譲渡課税 2 離婚後の給付と租税 3 寡婦(夫)控除 7 相続と課税 第8章 家族の紛争解決/寺戸由紀子 1 はじめに 2 家庭裁判所設立前史 1 臨時法制審議会の設置(1919:大正8年) 2 「家事審判所二関スル法律調査委員会」の設置(1924:大正13年) 3 人事調停法の施行(1939:昭和14年) 4 家事審判制度の発足 3 家庭裁判所の創設と変遷 1 家庭裁判所の創設 2 家庭裁判所の発展・充実 3 家事調停制度の改正 4 最近の動向 4 家庭裁判所の実務 1 家事事件の対象とその特徴 2 家事調停の実施機関と補佐機関 3 家事調停手続の概要と特質 4 家事調停の申立てから終了まで 5 履行確保 5 調停事件の概観と今後の課題 第9章 国際法と家族/鳥居淳子 1 はじめに 2 国際法における家族およびその構成員の権利保障 1 第二次世界大戦前 2 第二次世界大戦後 3 家族に関し規定を有する国際人権条約と日本 1 国際人権規約 2 女子差別撤廃条約 3 児童(子ども)の権利条約 あとがき 事項索引 |