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書籍名 九州炭鉱労働調査集成
著者 戸木田嘉久
判型 A5判
頁数 444頁
発行年月 1989年3月
定価 8,250円(税込)
ISBN ISBN4-589-01447-5
ジャンル 経済史・経済体制
本の説明 産業政策と労働運動の激突の場であった九州石炭産業。戦後からエネルギー革命までの二十数年間再編と合理化(45〜54年)、大量閉山・大量失業(53〜56年)、撤退・解体(55〜70年)の炭鉱と炭鉱労働者の実態を調査研究し、体系的にまとめる。
目次 『九州炭鉱労働調査集成』の刊行にあたって
第1部 戦後九州石炭産業の再編成の時期(1945-53年)
 解題
  T 戦後九州石炭産業の再編成と合理化(1953年1月)
  U カッペ採炭・竪抗開発と炭鉱賃金(1952年3月・1953年5月)
      ―日炭高松における事例―
  V 炭鉱労働力と南九州農村(1952年11月)
      ―貝島大之浦炭鉱の労働者および寮生の出自別構成調査―
 T 戦後九州石炭産業の再編成と合理化(1953年1月)
     ―統計諸表による過程の解析―
  序
  1 敗戦から新物価体系直前までの九州石炭産業
   1 敗戦と九州石炭産業
   2 石炭産業再建の停滞
  2 戦後九州石炭産業の再編強化
   1 新物価体系と石炭価格への改訂
    1 石炭消費者価格の二本立制の強化
    2 石炭生産者価格の改訂―山元原価主義から集団単一炭価制へ
   2 戦後石炭産業と復金融資
   3 戦後石炭産業と資材独占
   4 石炭非常増産対策要綱と出炭の回復
   5 炭鉱国管の役割
  3 戦後九州石炭産業の合理化過程
   1 ドッジ・ラインと石炭産業
   2 集中生産と石炭産業
    1 見返資金の大手筋集中
    2 A、B、C級格付と出炭、資金、資材の配分
    3 メリット制の強化と配炭公園の廃止
   3 戦後九州石炭産業における生産過程の合理化
    1 労働の組織的強度化
    2 生産過程の技術的合理化
    3 合理化過程における大手筋と中小炭鉱
  小結
 U カッペ採炭・竪坑開発と炭鉱賃金(1952年3月・1953年5月)
     ―日炭高松における事例調査―
  1 日炭高松におけるカッペ採炭と賃金実績
  2 日炭高松の竪坑開発をめぐる労使関係
   1 問題の発端
   2 組合はこの入昇坑時間の短縮と標準作業量の引き上げに対しいかに対処したか
   3 進展せぬ団体交渉と労資の争点
   4 堅功関係全員の「座り込み」から全鉱ストライキヘ
   5 臨時大会 全鉱ストを決定 各支部職場要求に立つ
   6 会社側が戸別配布したビラの全文
   7 労組側が戸別配布したビラの全文
   8 結び―竪坑闘争ついに妥結へ
 V 炭鉱労働力と南九州農村(1952年11月)
     ―貝之大之浦炭鉱の労働者および寮生の出自構成調査―
  まえがき
  1 炭鉱労働者の出身県別、職種別構成について
  2 炭鉱労働者の前職別構成について
  3 寮生について
  4 一応の結論
第2部 炭鉱失業・「灰色の谷間」の時期(1953-56年)
 解題
  T 大手筋炭鉱における希望退職者の調査分析(1953年11月)
      ―三井田川と三菱崎戸の場合を中心に―
  U 中小炭鉱失業者の職歴と生活(1955年5月)
      ―筑豊「灰色の谷間」815世帯の実態調査(中間報告)―
  V 中小炭鉱における検炭規定をめぐる問題点(1954年11月)
      ―中島鉱業傘下の各炭鉱の場合
  W 炭鉱労働者の流動・下降構造の実証分析(1956年10月)
      ―諸調査と統計による総括―
 T 大手筋炭鉱における希望退職者の調査分析(1953年11月)
     ―三井田川と三菱崎戸の場合を中心に―
  まえおき
  1 大手炭鉱希望退職者の年齢別・勤続年数別・職種別構成
  2 大手炭鉱希望退職者の退職理由・帰農転職など
   1 三井田川の場合
   2 三菱崎戸の場合
  3 職安窓口にみる再就職の可能性
     飯塚職安
     田川職安
     直方職安
     佐賀県下の職安
 U 中小炭鉱失業者の職歴と生活(1955年5月)
     ―筑豊「灰色の谷間」815世帯の実態調査(中間報告)―
  序
  1 中小炭鉱における労働力構成
   1 年齢別家族数別構成
   2 世帯主の職歴
  2 中小炭鉱失業者の最終前職退職時に於ける退職条件
   1 退職年次・退職理由
   2 退職時に於ける勤続年数
   3 退職条件―退職金・賃金精算・予告手当・失業保険金
  3 中小炭鉱失業者の流動形態
   1 「就業者」の就業先
   2 「完全不就業者」の不就業理由
   3 中小炭鉱失業者の流動系統
  4 中小炭鉱失業者の再就業先における労働条件
  5 中小炭鉱失業者世帯の就労状況
  6 中小炭鉱失業者世帯の生活実態
   1 食生活
   2 住居の状態
   3 衣料・ふとん・雨傘など
   4 飲料水と燃料について
   5 文化生活―新聞・ラジオ・映画
   6 世帯の総収入と借金・質
   7 健康と通学の状態
  総括
  附録
 V 中小炭鉱における検炭規定をめぐる問題点(1954年11月)
     ―中島鉱業傘下の各坑の場合―
  はしがき
  1 中島鉱業傘下の各炭鉱の「検炭規定」
   1 江口炭鉱
   2 志佐炭鉱
   3 大志佐炭鉱
   4 鯛之鼻炭鉱
   5 徳義炭鉱
   6 福島炭鉱
  2 「入引」「入増」における問題点
  3 「硬引」における問題点
  結び
 W 炭鉱労働者の流動・下降構造の実証分析(1956年10月)
     ―諸調査と統計による総括―
  まえがき
  1 大手炭鉱労働者の場合
   1 労働力の析出と新陳代謝
    1 切り捨てられた「高くつく」労働力
    2 厳選補充された「安くつく」労働力
   2 機械化と職種別労働力構成の変化
       ―新たな労働強化体系の整備
   3 大手炭鉱労働力の下降法則
   4 資本の合理化法則に対する大手炭鉱労働者の抵抗
  2 中小炭鉱労働老の場合
   1 戦後における中小炭鉱労働力の性格
   2 中小炭鉱労働力の析出―激しい移動率と休廃山
   3 資本の合理化法則に対する中小炭鉱労働者の抵抗
  3 中小炭鉱失業者の場合
   1 中小炭鉱失業者の流動形態(存在形態)
   2 中小炭鉱就業の生活実態
   3 中小炭鉱失業者の抵抗
  結び
第3部 戦後九州石炭産業の撤退・解体の時期(1957-70年)
 解題
  T 戦後九州の炭鉱における技術合理化(1957年8月)
      ―労働過程の再編と搾取体系―
  U 杵島炭鉱の経理分析(1956年12月)
      ―『経営白書』の批判―
  V 三池争議前後における三井鉱山の経営と労働(1970年7月)
      ―炭鉱資本の「撤退」過程―
  W 関西地方在住の炭鉱離職者の就労と生活状態(1970年12月-72年2月)
      ―雇用促進事業団宿舎居住181世帯の実態報告―
 T 戦後九州の炭鉱における技術合理化(1957年8月)
      ―労働過程の再編と搾取体系―
  1 資本主義と機械化の限界
   1 資本主義と機械化の一般的限界
   2 わが国石炭産業における機械化の限界
  2 出炭増強と技術合理化の現段階
  3 技術合理化の山別類型と搾取体系
   1 古河目尾の場合
   2 具島大之浦の場合
   3 三菱古賀山の場合
  結び―技術合理化の新しい段階
 U 杵島炭鉱の経理分析(1956年12月)
     ―『経営白書』の批判―
  はしがき
  1 損益計算推移の分析
   1 昭和28(1953)年下期から30(1955)年上期までの「損益」について
   2 昭和30(1955)年下期および31(1956)年上期の損益について
  2 貸借対照表による財務分析
   1 昭和29(1954)年上期30(1955)年下期間の資産状態の推移
   2 昭和30(1955)年下期より31(1956)年上期における資産状態の推移
  3 販売状況の分析
  4 原価推移の分析
   1 大手18社と杵島の原価趨勢についての検討
   2 九州大手4社と杵島の原価比較
  5 31年下期業績予想の分析
   1 予想炭価の検討
   2 予想原価の検討
  6 大鶴閉鎖問題についての分析
   1 赤字宣伝と大鶴閉鎖との関係
   2 大観閉鎖による会社の実質予想利益
   3 大鶴閉鎖による実質利益の増大と杵島の全体的経理との関係
   4 大鶴閉鎖についてのその他若干の問題点
  結論
 V 三池争議前後における三井鉱山の経営と労働(1970年7月)
     ―炭鉱資本の「撤退」過程―
  はじめに―二つの対照的な事実
  1 戦後の三井鉱山と三池争議
   1 石炭産業の対する初期占領政策
   2 アメリカ「石油帝国」の浸透と石炭危機
   3 三池闘争における会社側の「赤字」宣伝
   4 三池闘争の本質と労組の「敗北」
  2 三池闘争以後
      ―人殺し「合理化」の展開と内攻する石炭危機
   1 「合理化」の概括的指標
   2 大争議後の三井三池―死老458人、重傷者827人の大災害
   3 山野炭鉱における大災害と組夫制度
   4 三井田川の閉山と産炭地域の荒廃
  3 三池争議以後の「赤字」決算の実質と国家寄生による搾取機構の再編成
                          ―財務分析をつうじて
   1 国家寄生のメカニズムとその実体
   2 三井鉱山における搾取・収奪の強化
   3 財務分析による蓄積強化の実体
  おわりに
 W 関西地方在住の炭鉱離職者の就労と生活状態調査(1970年12月-72年2月)
     ―雇用促進事業団宿舎居住181世帯の実態調査―
  はじめに―問題の限定
  1 炭鉱雑職者問題の推移と概要
   1 石炭産業の解体
   2 炭鉱離職者の動向と炭鉱離職者対策の推移
  2 大阪府下の炭鉱離職者の就業概況
   1 炭鉱離職者に対する広域職業紹介
   2 炭鉱離職者の広域紹介による就業概況
  3 関西地区における事業団宿舎居住者の概況
   1 関西地区における広域就職者住宅対策
   2 関西地区「事業宿舎入居者調査」(昭和41年3月)
   3 事業団宿舎入居者の「入居継続申請書」にみる労働移動状況
  4 三つの雇用促進事業団宿舎(富田、大阪港、小倉)に居住する
                    炭鉱離職者(181世帯)の実態
  序―富田、大阪港、小倉の各宿舎に在住する炭鉱離職世帯の概況
   1 炭鉱離職から再就職まで
   2 世帯主の就業構造
   3 主婦の就職状況
   4 家計・生活諸相
   5 生活意識
  結びにかえて
   1 遠隔地の流出した炭鉱失業者の範囲・性格・就業と移動の形態・生活状態
                               ―その統一的把握
   2 炭鉱離職者対策と炭労「政転」闘争の評価
   3 労働流動化政策の「端緒的・原型的」形態としての炭鉱離職者対策
  著者による炭鉱労使関係の主たる著作一覧
 

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