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コラム

更新日:2008.12.10

国際比較の視点からみた介護保障制度

師走――今年も残すところあと1ヶ月を切り、年末にむけてあわただしい日々が続きます。景気対策の目玉だった確定給付金のゆくえも定まらず、折からの景気悪化で聞こえてくるのは派遣社員の解雇や就職内定の取り消しなど暗いニュースばかり。一攫千金を狙って、つい宝くじ売り場に走ってしまうのも人情というものです。
この宝くじが人々の生活を支えている国があると聞いたら驚かれるでしょうか。中国には「彩票」という懸賞付きの募金があります。『世界の介護保障』第6章によると、80年代以降の経済成長がもたらした経済格差による困窮者を援助するしくみとして創設され、高齢者や障害者などを支える社会福祉事業の重要財源として発展が期待されているといいます。
日本とはずいぶん異なる制度ですが、経済の発展段階や少子高齢化の推移、歴史的・文化的背景の違いを考えればそれも当然といえます。『世界の介護保障』では世界10ヵ国の社会保障制度のなかでも特に高齢者介護保障制度に焦点をあてて、その歴史と現状をふまえ、概要を解説し今後の課題と方向性を示します。欧米だけでなく経済発展の著しい東アジア諸国の制度についても重点的に解説しているのが特徴です。
介護保障を含めた社会保障のしくみそのものが世界各地で大きな転換点を迎えています。各国における変化の動向を知り、国際比較の視点から日本の位置づけを考えるうえで便利な本です。


世界の介護保障

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