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コラム

更新日:2007.6.28

いまなぜ右翼なのか――

フランスの潮流にみる現代の矛盾

今年5月のフランス大統領選で右派のサルコジ新大統領が誕生しました。前回02年の選挙で「ルペンショック」をもたらした極右政党であるFN(国民戦線)のジャン‐マリ・ルペン党首の動向があらためて注目されました。結局、第1回投票では約10%の投票率で決定選挙には進めませんでしたが、極右政党が、国民から一定の支持をえているのでしょうか?

現代フランスの新しい右翼――ルペンの見果てぬ夢』で、著者の畑山氏は、右翼の本質を「脱近代的近代主義」と性格づけ、グローバリゼーションや市場経済への反発・危機感のあらわれだと位置づけています。

ルペン率いるFNの変容を1990年代より丹念にたどりながら、フランスでのナショナリズムとポピュリズムの危険性を説き、同様にヨーロッパで台頭した極右政党の背景をも探った本書は、グローバル化のもとで新自由主義に曝されている日本の私たちにも警鐘を打ち鳴らしています。

関連書:畑山敏夫・丸山仁編
現代政治のパースペクティブ――欧州の経験に学ぶ



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