書籍名 | 憲法と裁判 |
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著者 |
樋口陽一・ 栗城壽夫著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 396頁 |
発行年月 | 1988年10月 |
定価 | 3,520円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-01411-4 |
本の説明 |
20世紀後半になって、多くの諸国で違憲審査制(憲法訴訟)が重要な役割を演ずるようになってきた。本書は「憲法」における「裁判」の占める重要性とその限界をふまえ、裁判官の果たすべき役割、違憲審査制の理念と歴史、日本での展開について論及する。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
監修者のことば はしがき 第一部 裁判と裁判官 序章 予備的考察 T 「司法」と「裁判」 一 いくつかの概念構成―その論理的性格 二 裁判>司法型の制度と裁判≒司法型の制度 三 近代「裁判」の歴史性 U 問題の所在と本書第一部の構成 第一章 裁判官にとっての制定法 問題の所在 T 規範の適用者は創造者か 一 問題の概観 ニ トロペールの見解に即して U 裁判官を拘束するものは? 一 規範か「ゲームのルール」か 二 裁判官の「良心」 第二章 裁判官にとっての主権者=国民 問題の所在 T 裁判の「独立」と国民主権 一 制度的コントロールと非制度的コントロール 二 「政治的多数派」および「社会的多数者」と裁判官 U 「裁判」の独立と国民主権 一 二つのモデル―フランスとアメリカ 二 司法オプティミズムのための条件 第三章 裁判官にとっての判例 問題の所在 T 「判例の拘束力」とは 一 下級審に対する「判例の拘束力」の性質 二 最上級審に対する「判例の拘束力」の問題 U 「判例の拘束力」の根拠 一 判例の成立要素としてのcorpusとanimus 二 ひとつの選択 結びにかえて 第二部 違憲審査制 第一章 違憲審査制の基本理念 T 違憲審査制の中心概念としての憲法 一 違憲審査制と憲法 二 国政運営のための基本的ルールに関する国民のコンセンサスとしての憲法 三 不断の現実化の過程にあるものとしての憲法 四 旧憲法現実化過程の一環としての違憲審査制 U 違憲審査制の前提 一 憲法が政治的マニフェストとしてのみならず、とりわけ、法規範として理解 されるようになること 二 民主主義が多元主義的に理解されること V 違憲審査制の機能 一 違憲審査制にとって困難な問題状況 二 裁判機関による法的コントロールの構造的特質 三 憲法現実化過程における裁判機関の役割 四 尾根づたいとしての違憲審査 五 裁判機関が違憲審査の限界をこえた場合 六 裁判機関が課された機能を遂行するための保障 七 違憲審査にあたっての判決の及ぼす影響の考慮 八 違憲審査制による対話状況の創出 第二章 違憲審査制の歴史と類型 T 各国における違憲審査制の歴史的展開 一 アメリカ 二 ドイツ 三 オーストリア 四 スイス 五 フランス U 違憲審査の類型 一 違憲審査の主体に関して 二 違憲審査の対象 三 違憲審査の開始要件 四 違憲審査の基準 五 違憲判断の効果 第三章 日本国憲法のもとでの違憲審査制 T 日本国憲法八一条の成立 一 明治憲法のもとで 二 日本国憲法における違憲審査制の導入 三 制憲議会における裁判所の法令審査権をめぐる論議 U 違憲審査制の制度としての基本的あり方 一 違憲審査権の主体 二 違憲立法審査権の行使のしかた 三 違憲審査制運用に関する二つの基本方針 V 違憲審査の方式と技術 一 基本的ルール 二 違憲審査権行使の要件 三 違憲審査の対象 四 違憲審査の基準 五 違憲審査の方法 六 違憲判断の効力 七 最高裁判所の憲法判断の変更 参考文献 索引(事項・判例索引) |