書籍名 | 議論と価値 |
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副題 | 論理学以前 |
著者 |
三輪正著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 224頁 |
発行年月 | 1972年9月 |
定価 | 2,530円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-00575-1 |
本の説明 |
弁証法論理、記号論理、形式論理等あらゆる論理に先行し、感情や価値をも含んで複雑多様な日常議論の論理を、人生への明澄な眼に支えられて体系的に詳説したわが国初の書物。哲学への深く新たな視野をひらいてくれる。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
序 論理をはみ出す論理―日常議論への反省― 第一部 議論を成り立たせているもの―議論の条件― 一 意見の対立―人間はなぜ対立しあうのか 二 理解への姿勢―話し合いと力 三 議論の相手―普遍性をもとめて 四 言葉と沈黙―信頼と不信 五 話される言葉と書かれる言葉 六 議論と場所―歩廊と広場 七 議論と感情 第二部 議論の前提としての合意点 一 合意点とトポス 二 事実と科学法則 三 通念 四 共通の価値―説得の支点 五 価値的トポス―無意識の前提 (a) 量のトポス―多数はよい (b) 質のトポス―優れた少数者 (c) 量と質の転換 (d) 量・質のトポスと他のトポス (e) 新・旧のトポス―新しいものと古いもの (f) 変化のトポス―変わることと変わらないこと (g) 価値的トポスの対立の根底にあるもの 第三部 議論のあらわれ方―議論の型― 一 主張―日常議論の反論は可能である 二 反論と質問―かたくなな主張に対して 三 ソクラテス的アイロニー―問答を通して原理へ 四 総合―より高い立場 五 例証および格言による議論―反対の格言も存在する 六 類推による議論―未踏の領域への接近 七 比較・対比・対照―価値と反価値をめぐって 八 二分法と三分法―二者関係と三者関係 九 模範にもとづく議論―「なんびとを崇拝すべきか」 十 誇張と抑制―感情と表現との交錯 十一 比喩―「考える葦」をめぐって 十二 たとえ話―イメージの力 十三 神話・ユートピア・終末論―現実をこえて 十四 逆説(パラドックス)―早く現われすぎた真理 十五 二律背反・矛盾・不両立―ためらいと決断 第四部 議論の対立は解決不可能か―議論領域と価値序列 一 政治―公共の利益ということ 二 裁判―正義とは何か 三 儀式―現在秩序の維持 四 宗教―愛の立場 五 科学―有用性と真理性 六 芸術―死の時に生の喜びを、生の時に死の不安を 七 哲学―未完の対話 八 優越的な価値はあるか―人間こそ価値 結語―レトリックと反レトリック あとがき |