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コラム

更新日:2008.7.3

マネジメントの第一人者 ドラッカー

「マネジメントの発明者」、「20世紀の知の巨人」と言われたピーター・F・ドラッカーは、処女作『経済人の終わり』(1939年)から65年余もの間に30冊を超える著作を刊行しています。また、GMやGEなどアメリカを代表する大企業の経営コンサルタントとしての顔をもつドラッカーの経営理論は、その理論自体が経営学の研究対象として扱われるほどです。
坂本和一(立命館アジア太平洋大学初代学長・立命館大学教授)著『ドラッカー再発見――もう一つの読み方』は、ドラッカー理論の紹介にとどまらず、GMやGEとの関わりの中に見出せる経営コンサルタントとしての慧眼や洞察の正確さを実証するといったドラッカー論を展開している点で、ユニークなドラッカー本と言えます。
なかでも第4章「大学のイノベーションとドラッカー」で展開する著者の実践に基づくイノベーション理論の実証は必読です。ドラッカーが、企業活動の最も基本的な機能としてマーケティングとイノベーションを挙げていたことは有名です。第4章では名著『イノベーションと企業家精神』(1985年)の「イノベーションのための7つの機会」「公的機関における企業家精神」を例に挙げ、大学の経営という単純に営利組織とは言えない機関で管理運営する立場にあった著者のイノベーションの実践を振り返っています。
本書を通じて、企業であれ、公的機関であれ、イノベーションの大切さが伝わってきます。ドラッカーの死後2年が経ちますが、いまなお彼の理論は遺産として経営の場で受け継がれているようです。経営にたずさわる方のみならず、広くご一読をお薦めします。


ドラッカー再発見――もう一つの読み方

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